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「俺は“厄”とは戦えないんだ。足手まといになりたくない。」
そう言ってシャチは、どこかに行こうとした。しかし…
「足手まといって言ったら、あたしの方がそうだよ!いいからシャチも来る!」
「うおって、おい!!」
美嘉はシャチの服を掴むと、ずるずると大通りに引っ張り出した。
シャチの奇抜な外見に、通行人の目線が痛い程に突き刺さる。
「そう言えばさ、なんでシャチは“厄”と戦えないのよ?」
「シャチは聖霊と言う通り、聖なる存在なんです。そのせいで“厄”の負のエネルギーに耐えられないんです。」
「下手したら、存在が消滅する…」
暫くの沈黙。美嘉にはそれが長く感じていた。
そして、そんな沈黙を破ったのも美嘉だった。
「消滅って…死ぬってこと…?」
「……そうです。」
そう言ってクライムは歩みを止める。
その目は、どこか一点を睨みつけていた。
「シャチ…」
「あぁ、近くにいる。」
「えっ!?」
その瞬間、クライム達の近くで爆発が起きた。
通行人は混乱し、叫び声を上げている。
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