第二話-存在理由-

14/20
前へ
/135ページ
次へ
「シャチ!」 「約500メートル先、脇道に逃げ込んだ!」 そして、二人は駆け出した。 クライムは走りながら、美嘉に言った。 「美嘉さんはどこか安全な所に逃げていてください。」 美嘉は、呆然とその言葉を聞いていた。 しかし我に返ると、すぐにクライム達を追い掛けていった。 「何も出来なくても…、足手まといだけど…、見守るだけでいいんだ!」 クライムとシャチは、路地裏の先にある小さな広場に足を踏み入れた。 「う…くっ…」 「シャチ!」 「いる…ここに。巨大で強力な“厄”が!」 『ほう…聖霊も一緒か…。珍しいな。』 「「!?」」 クライムは後ろを振り向くと、そこにはどす黒いオーラを放つ“厄”が浮かんでいた。 『書き換え師の魂が旨いのは知っているが、聖霊はどんな味がするのだろうな…』 “厄”は不適に笑うと、両腕をバッと広げた。 「この技は!?」 クライムが気付いた時には遅く、多くの“厄”に囲まれていた。 「同族喚び…まさか、そんな上級の技を使うなんて、思ってもいませんでした。」 .
/135ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加