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クライムは十字架を剣に変えると、“厄”に向かって構えた。
『こんなにいるのに、向かってくるか。面白い!しかし、隣の聖霊はどうかな?』
クライムは慌てて隣を見ると、シャチが自分を抱くように縮こまり、ガタガタと震えていた。
「シャチ!」
「負の…エネルギーが…強す…ぎる…。意識を…保つだ…けで…精一杯だ…」
『我等にしてみれば、聖霊は弱い存在だ。負のエネルギーに耐えられないのだからな!』
“厄”はそう言うと、負のエネルギーを更に強めた。
「うっ…ぐぁ…あぁ…ああぁぁぁ!!」
辺りに叫び声が響くと、シャチの体は地面に倒れた。
「シャチ!!……なんてことを…」
『そいつが弱かっただけだ。次にお前がそうなるんだ。』
クライムが“厄”に斬り掛かろうとした時、後ろから声が聞こえた。
「シャチ…?」
「美嘉さん!?」
そこに現れたのは、二人を追い掛けて来た美嘉だった。
それには集まっていた“厄”達も驚いたが、すぐに美嘉に向かって襲っていった。
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