第二話-存在理由-

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「美嘉さん、危ない!!」 「えっ?きゃあぁぁぁ!」 美嘉が気付いた時には遅く、“厄”達が目の前にいた。 ザクッ!! いつまでたっても襲ってこない痛みに、おそるおそる目を開けてみる美嘉。 「?!!」 そして目に飛び込んできた物は、美嘉を抱いて庇ったクライムの姿だった。 背中には生々しい傷跡が付けられており、地面に血溜まりを作っていた。 「クライム…」 「大丈夫ですか?美嘉さん。」 そう言って美嘉から離れようとした瞬間、クライムの頭の中に声が響いた。 (また大分苦戦してるじゃないか?) 「お前は…出てくるな。」 (冷たいこと言うなよ。このままだと娘が喰われるぞ。) 「美嘉さんは、絶対に死なせない!」 「クライム?」 クライムの様子が変なのに気付いた美嘉。 美嘉が見たのは、クライムの瞳の色が徐々に変わっているのだった。 (お前の体、貸せよ。暴れたいんだよ。) 「駄目だ…。」 (融通が効かない奴だな。だったら、無理矢理権利を奪うだけだ!) 「やっ…ヤメロ!!」 苦しんだ後、瞳の色が完全に深紅に変わった。 .
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