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「美嘉さん、危ない!!」
「えっ?きゃあぁぁぁ!」
美嘉が気付いた時には遅く、“厄”達が目の前にいた。
ザクッ!!
いつまでたっても襲ってこない痛みに、おそるおそる目を開けてみる美嘉。
「?!!」
そして目に飛び込んできた物は、美嘉を抱いて庇ったクライムの姿だった。
背中には生々しい傷跡が付けられており、地面に血溜まりを作っていた。
「クライム…」
「大丈夫ですか?美嘉さん。」
そう言って美嘉から離れようとした瞬間、クライムの頭の中に声が響いた。
(また大分苦戦してるじゃないか?)
「お前は…出てくるな。」
(冷たいこと言うなよ。このままだと娘が喰われるぞ。)
「美嘉さんは、絶対に死なせない!」
「クライム?」
クライムの様子が変なのに気付いた美嘉。
美嘉が見たのは、クライムの瞳の色が徐々に変わっているのだった。
(お前の体、貸せよ。暴れたいんだよ。)
「駄目だ…。」
(融通が効かない奴だな。だったら、無理矢理権利を奪うだけだ!)
「やっ…ヤメロ!!」
苦しんだ後、瞳の色が完全に深紅に変わった。
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