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その瞬間、クライムの雰囲気が変わった。
目付きが鋭くなり、明らかに殺気の篭ったオーラを放っていた。
「ク…ライム?」
「……死にたくないのなら、離れろ。」
そう言って、クライムは美嘉を突き飛ばす。
そして、下から上へ剣を一線させた。
「危ないじゃない!!」
「助けてやったんだ。感謝しろよ。」
「えっ…?」
『ギャアァァァ!』
美嘉の後ろに迫っていた“厄”の一体が、真っ二つに斬られ、そして消滅した。
美嘉はそれを呆然と見ているしか出来なかった。
「数が多いな。まぁ、関係ないがな…」
クライムは再び剣を構えると、黒いオーラが剣を包んでいった。
「暗黒衝波斬!!」
剣を地面に刺すと、黒い衝撃波が“厄”達を襲った。
あっという間に、数多くいた“厄”達が主格を残して全て消え去った。
「やっぱ数だけだな。弱過ぎる…」
『何なんだ…お前は!?』
「ん?あぁ…俺か。俺はクライム。まぁ、別の人格だがな。ということだ。死ね!」
クライムはそう言うと、姿を消した。
『なっ!?どこ行った!』
「こっちだ。」
“厄”が気付いた時には、遅かった。
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