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“厄”の体が真ん中から裂け、断末魔のような叫び声を上げて、消滅していった。
「どうつもこいつも、弱過ぎる。つまらん。」
クライムは剣を十字架に戻し、そして美嘉と目が合った。
「あんたは…一体何者?」
「クライムの裏の人格だ。」
「裏の人格…」
裏の人格は不適に笑うと、自分の心臓あたりを指差した。
「言わば、俺が闇であいつが光だ。」
「あいつ…?」
「今までお前が接してきた主人格さ。俺は本来、存在してはいけない人格なんだよ。」
裏の人格が初めて、殺気以外のオーラを出した。
それはとても悲しく、憂いを帯びていた。
「だったら、あんたが今、存在している理由はなんなの!!」
「はぁ!?だから、俺は…」
「存在しないはなし!誰だって存在するには意味があるんだよ!」
「存在する…意味…」
裏の人格はしばし考え、そして答えを見つけたのか、いきなり喋りだした。
「俺の存在する理由。それは、邪魔になる奴を…殺すこと…」
その言葉に、美嘉は固まった。
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