第二話-存在理由-

19/20
前へ
/135ページ
次へ
「……か…」 「?」 「馬鹿!馬鹿!!」 美嘉は泣きながら、裏の人格に当たっていた。 「そんなんじゃ駄目!そんなんじゃ悲し過ぎるよ…」 「ちっ…、これだから女は嫌なんだ。俺は戻るからな。」 「えっ…」 次の瞬間、クライムの瞳が赤から青に変わった。 そして、そのまま倒れ込んでしまった。 「クライム!?」 美嘉は慌てて駆け寄ると、クライムを抱き起こした。 しかし、抱き起こした時に手に変な感触が伝わった。 (そうだった!あたしを庇った時、大怪我してたんだっけ!) 「でも、どうしよう…。あたしだけじゃ未来に帰れないし…」 美嘉があたふたと困っている時、後ろの方から変な音が聞こえた。 聞こえた方を振り返ると、一部の空間に切れ目が入っていた。 「苦労しているようだな。」 「その声は…!」 空間の切れ目から現れたのは、エンマと鹿柳だった。 「クライムに感謝することだな。お主の貰った十字架には、危険を知らせる機能が付いているのだからな。」 鹿柳はシャチを、エンマはクライムを担いで“時の海”に入っていった。 .
/135ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加