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「……か…」
「?」
「馬鹿!馬鹿!!」
美嘉は泣きながら、裏の人格に当たっていた。
「そんなんじゃ駄目!そんなんじゃ悲し過ぎるよ…」
「ちっ…、これだから女は嫌なんだ。俺は戻るからな。」
「えっ…」
次の瞬間、クライムの瞳が赤から青に変わった。
そして、そのまま倒れ込んでしまった。
「クライム!?」
美嘉は慌てて駆け寄ると、クライムを抱き起こした。
しかし、抱き起こした時に手に変な感触が伝わった。
(そうだった!あたしを庇った時、大怪我してたんだっけ!)
「でも、どうしよう…。あたしだけじゃ未来に帰れないし…」
美嘉があたふたと困っている時、後ろの方から変な音が聞こえた。
聞こえた方を振り返ると、一部の空間に切れ目が入っていた。
「苦労しているようだな。」
「その声は…!」
空間の切れ目から現れたのは、エンマと鹿柳だった。
「クライムに感謝することだな。お主の貰った十字架には、危険を知らせる機能が付いているのだからな。」
鹿柳はシャチを、エンマはクライムを担いで“時の海”に入っていった。
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