437人が本棚に入れています
本棚に追加
世界が白くなったと…
良和は思った。
何が起こったんだ…?
いったい俺はここで何をしているんだ…。
次に見えたのは綺麗な、ホントに綺麗な…星空だった。
あぁ…綺麗だな。何か星空なんて久し振りに見るような気がするよ。
ねぇ、美樹…。
…美樹?
ゆっくりと頭を横にする…目に飛び込んで来たのは…赤!いちめんの赤!
真っ赤な花びらの中で横たわる美樹…。
星よりも、お前の方が綺麗だったね……ぼんやりとした思考が、だんだんと覚醒する。
美樹の傍らに無残に転がるヘルメット…!!!
美樹!!
叫んだのか、それは声になったのか。
遠くに救急車のサイレンが聞こえてきた。
良和の記憶はここで途絶える。次に気付いた時には病院の廊下の椅子に唖然と座っていた。何も考えられなかった。ショックと恐怖で思考は停止していた。
最初のコメントを投稿しよう!