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朝から、昨日の残りのワインを飲み干し、安っぽいカクテルの缶を開け、ビールを一気飲みした。順番なんか、どうだっていい。体がなんとなく重くなってゆくタイミングをはかり、私はベッドの上に横たわった。お酒たちが血液に回りきるころ、私の体は、その甘ったるい重さからふっと解き放たれるのだ。この瞬間を、いつも心待ちにしている。 私は最初、宙に浮いたのだと思っていた。もしくは、テレビなんかで霊媒師や超能力者がやってみせるような『あれ』ではないのかと。 でも私のまぶたの裏に浮かぶ光景はいつも同じで、それでいて、いままで感じたことがないくらいの心地よさがある。 だから私には、野菜も肉も魚も要らない。お酒は私の栄養であり、私の一部なのだ。
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