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あれだけ世間を騒がせた傍迷惑な爺さんはノストラダムスをおいて他には居ないだろう。テレビ局は、助かったかもしれない。何しろシーズンオフの特番と言えば当時はソレがらみの物が流行ったもんだ。その頃俺たちはと言うと、きっと人生で1番永い年だったに違いない。
俺たちの地元は、周りを川に囲まれ、その内側を住宅地が囲み、真ん中は田んぼに刳り貫かれた北関東の片田舎。毎年春から初夏にかけて暴走族が急増するような時代錯誤の街だ。
四月の終わりから気の早い農家のおっちゃんが田んぼに水を入れると、水と土の匂いそれにカエルの鳴き声が混ざり最高に気持ちが良い夜風が吹く。
そんななかを、仲間と一晩中チャリで走り回るだけで何もかもから解放されたような気分になれた。だから俺たちが、原チャリを欲しがったのはごく自然な事だったと思う。ただ、人より怖いもの知らずだっただけで。
その日もいつもの集会所に集まっていた。暖っかくなりだした四月では無理して室内に侵入しなくても良くなっていた。むしろこの時期の夜は外に出ないともったいない!もし、あんたが何かに悩んだりモヤモヤしてることがあるなら田舎の夜歩きをオススメするよ。
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