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しかしその優越感は束の間の平和でしかなかった。
神は人類にいつまで戦いを与えるのだろう。
『速えぇ~!!』
一年の三組目のテスト走で、どよめきが起きた。
『神谷…アキラ?さっきの山下より速いんじゃないか!?』
部長は神谷と名乗る一年に駆け寄った。
(オイオイ…、神谷明はキン肉マンじゃねーか!?牛丼一筋な奴が俺より速い?…ニュータイプだというのかっ!?)
神谷は部長に肩を叩かれ、私がいる2年の輪に入ってきた。 身長は私と変わらないが、中々の美形なベビーフェイスだ。
私にはかなわないが(笑)
『中々速いじゃん…俺…シャ…山田』
しかし神谷は私に全く目もくれず、女子の先輩の所に行った。
『チカさん、見ててくれた!?』
神谷が言うとその中で一番可愛い女の先輩が笑って答えた。
『あっ君、さすがだね!やっぱり一番だ!あ、アタシの家の近所に住んでる、神谷明くんです。ちょっと生意気だけどヨロシクしてやってね~☆』
チカ先輩がそう言うと、3年の女子までが神谷を囲んだ。
『キャー!可愛いぃっ!照れてる照れてるぅ~!』
(イガ栗頭の谷先輩はともかく、シャア・アズナブルの名を隠し生きているこの俺を越えている!?
しかも既に愛人ララア=スンを装備しているだと!?…有り得んだろ!?)
『オイ、山下!アイツも一緒に走る事になる!…絶対に勝て!』
谷先輩の表情は今まで話していた時と一変、人を殺すような目につきになっていた。
(言われるまでもない!ニュータイプは俺一人で良い!
お前は所詮ええカッコしーのジェリド中尉レベルさ!
このシャア少佐に勝てるはずない!』
そして2年と1年の合同テスト走が行われることになった。
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