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それは小学四年の時だ。
私は晩御飯を家族と過ごしていた。
『隆!…ターカーシ!アンタまたマンガのテレビつけながらご飯食べるつもり!?』
母君は怒鳴りながら、私にスプーンを押し付ける。
『今日からガンダムって、新しいのやるんだよ!』
私は母君に言い返すといつものように呆れていた。
弟は
『ほら、ウルトラマン!』
と嬉しそうにスプーンを逆にして目に押し付けていた。
これからそんなたわけた事がいかに愚かな事になるかを、知らしめる時が来るなど誰もこの時は知る良しもなかった。
そして我が家のテレビにて新番組【機動戦士ガンダム】が上映された。
もはや衝撃としか言えない、第一話!
私はそれから最終回までガンダムを毎週見続けた。
学校でもその衝撃は大きく、ガンプラなるガンダムのプラモデルが毎週朝には玩具屋に並び、少年達は早朝四時起きになり行列を作っていた。
毎朝眠くて学校を遅刻する奴らが、何故か先頭にいるのだ。
学校の先生が見たら何と言うのだろう?
それから再放送を重ねる度にガンダムの人気は社会現象となるほど高まり、今まで主人公ばかり追っていたファンが徐々にライバルのシャアの登場を心待ちにするようになった。
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