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足の怪我は…
ガラスか何かがあったのであろう?
土踏まずの所を確か…三針縫う程パックリと切っていた。
一応念のためと、レントゲンを撮ったが、ガラスの破片や異物は入ってはいないのでは?
と言う診断であったが…
要経過観察と言う一時的治療で、傷を治すのでは無く、止血の為に傷を縫合すると言う処置をしてもらった。
それまでは涙一つ出ていなかった私であったが…部分麻酔の注射の痛みで泣いたのを覚えている。
でもね…
私の横で、ずっと…今にも泣き出してしまいそうな顔をしていたお母さん…
心配かけてごめんなさい。
傷を縫合し終え、ギブスで足首迄固定され、松葉杖を使わなければならない状態になってしまった私…
明日は入学式…
今でこそ笑い話だが、その時の母の気持ちを考えると…本当に申し訳無かったと思えて仕方が無い。
病院から帰り着くと、私をベットへ寝かせて直ぐにどこかに出て行った母…
医師に、怪我をした場所に、ガラスの破片か怪我をした原因になる物は無いかを確認する様に言われたらしい。
何も無ければ、私の身体の中に、ガラスが入り込んでいる可能性がある為…折角縫合したが、手術して摘出しなければならないと言われたからであった。
あの水溜まりに手を入れ、必死で探しはしたが、何も無かったとうなだれていた母…
にも関わらず、多少不自由ではあったが、脳天気な私…
まあ、私の身体の中には何も入っていないであろう?と後々医師に言われて、ホッとしたのだが…
異変があれば直ぐに連れて行くと言う条件をつけられてではあったが…
原因不明の大怪我をし、松葉杖をついて歩く私の小学生生活が始まった。
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