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それは、今から十二年前……2人が小学6年生の3月のことでした。
「もうすぐ卒業だな」
「うん。そうだね」
夕方の公園。学校帰りに2人はいつものように話しをしていた。
横浜に住む小谷葉平と林原小枝は幼なじみで、幼稚園からずっと一緒だった。
「小枝、どうかしたか?」
「えっ?」
「いや、いつもの元気がないなぁーと思ってさ……」
「えっ………そんなことないよ」
小枝は、不自然な答え方をしていた。
「そうか……ならいいんだけど……」
葉平は、そんな小枝に違和感を覚えたが、気遣って深くは訊かなかった。
「あっ、もうこんな時間! そろそろ帰らなきゃ! じゃあね、葉平」
「おう。じゃあな」
夕暮れの公園で、2人はいつものように別れた。
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