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小枝の様子がおかしくなった翌日から、卒業式の練習が始まった。
そして、卒業式が近くにつれ、小枝がどんどん元気がなくなっていった。
葉平はただ、その様子を見守るしかでずにいた。
いよいよ卒業式の前日。葉平は、小枝にもう一度確かめて見ることにした。
「小枝!」
「なに? 急にマジメな顔して……」
「小枝、やっぱり最近変だぞ」
「えっ? そんなことないと思うけど……」
「そんなことないよ! この通り元気だよ!」
小枝は、笑顔を作り踊ってみせた。
しかし、瞳の奥は悲しみに暮れていた。
「……じゃあね。葉平」
小枝は、何の前触れもなく別れの挨拶をし、走り帰ってしまった。
「小枝………」
葉平は、小枝のことを気に掛けながら家に帰った。
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