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家に着いた葉平は、リビングで小枝のことをずっと心配していた。
すると、急に葉平の母が隣に座り、話始めました。
「明日は、遂に卒業式ね」
「……うん………」
「あら、元気ないわね」
「そんなことないって」
「いや、母の目は誤魔化せないわよ! 小枝ちゃんが、明後日に引っ越しちゃうからでしょ?」
「えっ、小枝が!」
葉平は思わず立ち上がった。
「あら、知らなかったの?」
「うん……」
「そう。なんでも、小枝ちゃんのお父さんの仕事の都合で、福岡に引っ越すんですって」
「福岡! 随分遠いじゃん」
「そうね。多分、もう会えないでしょうね」
「えっ……」
葉平はそれを聞き、小枝の元気ない理由がやっとわかった。
もうすぐ、みんなと本当にお別れしなければならな
い。そして、もう会えないかもしれないという悲しみだったと。
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