第3章

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  自分の中で、いろいろな人間の声が飛び交う。       それが思い出なのか、幻聴なのか区別が付かないまま、僕は僕の耳を両手で塞いでいた。           嫌なものに蓋をして、忘れてしまう事は出来る。       そして自分の中で記憶をすり替える事は容易い。         でも、どんなに僕が嫌だと思っても、逃れたいと思っても、過去は1mmとも動かせない。       起こってしまった事実は変えられない。       蓋をして、忘れたと思った出来事も、小さなきっかけで溢れ出す。                だから、僕は……。         .
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