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僕はあの日々の事を思い出していた。
彼に会った瞬間から今までの事を全部。
真っ暗な部屋のベッドの上で小さくうずくまりながら…。
「…どうして…どうしてだよ?……カヲル君っ」
「好きだって…僕の事を好きだって……それなのに………」
問掛けても答えは返ってこない。
暗く寂しい部屋の壁に虚しく吸い込まれてゆくだけ。
騙してたんだ!
僕の事を傷付けた!
友達だと思ってたのに…
僕の事を裏切ったんだ!
自分の掌を見つめて、君の存在を確かめる。
「僕が……僕のこの手が………」
グゥッと手を握り込み、拳を強く強く強く握り絞めた。
「どうしてだよ……カヲル君……」
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