第1話

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      僕はあの日々の事を思い出していた。       彼に会った瞬間から今までの事を全部。         真っ暗な部屋のベッドの上で小さくうずくまりながら…。         「…どうして…どうしてだよ?……カヲル君っ」         「好きだって…僕の事を好きだって……それなのに………」           問掛けても答えは返ってこない。       暗く寂しい部屋の壁に虚しく吸い込まれてゆくだけ。              騙してたんだ!     僕の事を傷付けた!         友達だと思ってたのに…               僕の事を裏切ったんだ!               自分の掌を見つめて、君の存在を確かめる。       「僕が……僕のこの手が………」             グゥッと手を握り込み、拳を強く強く強く握り絞めた。         「どうしてだよ……カヲル君……」         .
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