2 伝 説

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  「きゃぁーーー!!」 「ゆ、裕美!!」 「そんな怖かった!?」 「う、うん……」  涙を浮かべながら、悲鳴をあげたのは永山裕美という名前の中学1年生の女の子だ。 「怖いよ~~加奈子リアルだよ~~」 「ごめん、ごめん」  先ほどの口裂け女の話をしてたのは宮城加奈子。裕美のクラスメートで、怖い話が大好きな子だ。 「加奈子は話し方うまいからね」 「ははっ!! ありがとう!!」 「瑞希~まだ怖いよ~……心臓バクバクのままだよ~~」 「ヨシヨ~シ。そんな泣かないの!」  林田瑞希。裕美の幼なじみで、クラスメートでもある。 「ねぇねぇ!! 続き聞きたい!!」  そんな好奇心旺盛なのは羽川和枝。こちらもクラスメートで、この話を真っ先に聞きたいと言った人物だ。 「や、やめて……私怖くて死んじゃう……」 「人間そう簡単に死なないよ!!」 「じゃあ裕美、耳塞いでて。その間に話すから」 「う、うん……」  そう言って裕美は耳を塞いでうつむき、何かブツブツと言い出した。 「神様~神様~怖いです~」 「あらら。神頼みになるまで怖かったか」 「昔からこんな子だから、仕方ないよ」 「んんっ! じゃあ続けるね」  
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