201人が本棚に入れています
本棚に追加
「きゃぁーーー!!」
再び教室に悲鳴が響き渡った。
「裕美~……また?」
「必死に耳塞いでたんじゃなかったの!?!?」
「耳塞いでても聞こえたぁ~~わぁ~ん!」
裕美の目には、本当に涙が溢れていた。
「気付かないで耳塞いでたんだ……」
「えっ!?」
「裕美は昔から抜けてるんだからっ」
「みんなヒドいよぉ~~わかってたなら教えてよぉ~……」
泣いている裕美を横目に、みんな笑っていた。怖い話になると、毎回こんな感じである。
しかし、今回は少し違っていた。和枝がすぐに笑うのをやめ、加奈子に質問をし始めたのだ。
「このお話のトンネルってどこ?」
「ん~……どこだろう? なんなら調べて来ようか?」
「うん!! お願い!!」
そんな盛り上がっている2人とは対象的に、裕美は瑞希に抱き付いて泣いていた。
「瑞希~怖いよ~~心臓破裂しそうだよ~~」
「ヨシヨシっ。裕美はホントしょうがないんだから(単純というかなんというか……)」
帰り、裕美は1人で道を歩く勇気がなくなっていた。相当怖かったのだろう。
最初のコメントを投稿しよう!