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叶うなんて、
これっぽっちも思わない。
叶ったらいいのにな、
なんて気持ち。
友達に愚痴を言うような感じ。
その相手が、目の前の
『願い石』というただの石なだけ。
「さ、帰ろ…」
母に怒鳴られているし、
気は乗らないが、
あたしの家なわけだし、
帰らないわけにはいかない。
「できれば叶わないで欲しいことよね」
小さく笑った。
家に向かって、
あたしは歩き出した…。
さっきよりも
気分は軽かった。
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