いち

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      「………はぁ」       春の陽射しは暖かく、空は雲も少なく青々としている。 僕の心とは、裏腹に。             今日、高校二年になった。 学年が変わるということは、もちろんクラス替えもあるわけで。 やっと一ヶ月くらい前から不安だった要素が消えたんだから、そりゃ舞い上がるのも無理はないっしょ?   クラスが離れなかった友達の村上(ムラカミ)と朝教室に入る途中、「うるさい」と言われたが…まぁ気にしないことにする。       「あ、栗原くん村上くんおはようっ」       開いていた教室のドアを進むと聞こえた声。 僕らに笑顔を向けているのは、一年の時も同じクラスだった黒沢(クロサワ)さん。 あ、栗原(クリハラ)というのは僕のことだ。   黒沢さんと同じクラスになれたこと。 これが不安だった要素が消えたことだ。 そう、入学した時からずっと…彼女のことが好きなんだ。   その不安がなくなったからなのか、また黒沢さんの笑顔を見れたからなのかは分からないけど…我慢できなくなった僕は帰りに呼び出してしまった。 自分でもよくそんなことできたなぁと思う。 いつもの自分じゃ考えられない。   そして結果は…
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