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『あなたは生れつき心臓が悪いですよね…?』
『あ、…はぃ…それが何か?…』
春華は戸惑いながら答えた
『その心臓が弱まって来てます…息が切れたりすることが増えてませんか?』
『……はい。』
『では、結論をいいます。山根春華さん』
『はい。』
『あなたの命はあと…もって一週間と言ったところです。短くて五日、長くて十日です……』
『手術は出来ないんですか?』
母が縋(すが)るように医師に言った
『残念ながら…ただ、薬や点滴で伸ばすことはできます、』
残念そうに医者がいった
『そんな…春華!治療受けましょ?』
母が私を見て言った…
『ぃや…結構です…残りの人生…楽しく生きたいですから…』
にっこりと笑う春華だが、微かに悲しさが伺えた…
これが余命一週間足らずと宣告された瞬間…
山根春華の物語の幕が今、上がった
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