復活ミニ小説

2/7

55人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
~我が儘~HAYATO 18 「戸締まりちゃんとするんだよ」 『俺ぁガキじゃねえ』 ふーっとタバコの息を吐く隼人。でもまだアンタ、高校生じゃない… 「ふふっ、そだね。じゃあ、行ってくるから」 銀色の綺麗な髪に指を絡めたあと、あたしは玄関へ向かう。 『…んっとに行くのか?』 背中から聞こえる隼人の声。 「高校の同窓会だよ。二年ぶりにみんなに会いたいじゃん」 『……行くなよ…』 あたしは彼より三つも年上だ。 彼はそんなあたしにガキ扱いされないように、いつも我が儘なんか言わない。 なのに… 「隼人??」 あたしは、彼を振り返る。 隼人は、バッと顔をあげた。 『おまえの事好きだったやつとか!』 『おまえが好きだったやつとか!』 『…来るかもしんねーだろ』 それだけ言った後、隼人は下を向く。 顔…真っ赤なんだけど。。 うれしい。 普段こんなこと言わないもん。 「ね、隼人。今日一緒にいく?」 『はぁ?!なんで??』 ニッコリ笑うあたしに、隼人は顔をあげ、不振な表情。 「あたしの大好きな彼氏をみんなに自慢したいから」 『ゴホッッ』 顔をさらに真っ赤にした隼人は、タバコの煙が器官に入ったらしい。 涙目とかかわいすぎる。 「はい、早くいこっ」 服の袖を引っ張って隼人を立たせる。 『ちょっ、姫っ!待て!!』 「ん?」 『本気で?』 「当たり前~」 『わかった…』 観念したのか隼人は、上着をハンガーから外して着る。 「隼人」 『あ?』 「たまには、また我が儘言ってね、可愛いから」 『…チッ』 また赤くなった隼人の右腕に自分の左腕を絡ませて、 二人で部屋を後にした。 END
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

55人が本棚に入れています
本棚に追加