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~スカート丈は膝上20cm~ KYOHYA 風紀委員
『君、いい加減それ直す気ないの?』
「なんのことですかーー?」
いつも繰り返されるやりとり。
少年は、少女にいつも頭を悩まされる。
『並中女子の制服のスカート丈は、膝上3cmまでだよ』
「ほぇー?そーなんですかー」
ポンっと手を叩く少女。
まるで初めて聞いたような表情だ。
『昨日も一昨日も言ったハズだよ。聞いてなかったの?』
少年は、諭すように少女に話す。
が、
「あたしは今日を一生懸命生きてるので、昨日のことはわかりませーん!」
ハイっと右手を高く掲げ、自信たっぷりに少女は返す。
『君、僕のこと馬鹿にしてるのかい?』
少年は、いい加減このやり取りに苛々してきた。
彼女は、このスカート丈20cmを直す気はさらさらないらしい。
「いえいえ委員長、馬鹿になんかしてません!ただ、膝上3cmじゃあ長すぎてダサいんです。」
『校則は守る為にあるんだよ、守らない人間は、僕が咬「み殺すーーーーでしょ?でもね委員長、これはあたしのポリシーなの」
少年の決め台詞を、少女は奪いとり、笑う。
「委員長もその学ランはポリシーでしょ?」
『ポリシー…ね』
少女とのやりとりは、少年にとって新しい発見の連続だ。
そして、並中…いや並盛最強である自分を、全く恐れない彼女に興味も少し沸いてきている。
『今日は、許してあげるよ。でもここの校則は僕だからね』
ふっと小さく少年が笑う。
「わかってますよ」
ハイと少女も笑った。
でも、やめませんよ、あたし。
貴方が、毎日、あたしを追い掛けてきてくれるから。
貴方は、あたしの顔を覚えたでしょう?
貴方の心にも、あたしが刻み込まれますように。
end
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