復活ミニ小説

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~全ては君の、ために~ TSUNAYOSHI パラレル ※ちょっと大人向け。腐?要素あります。嫌な方はBack! 「あたしに出来ることはないの?」 あなたに問う。 『ないよ、何も』 あなたはただ、綺麗に笑ってそう言うだけ。 あなたのか細い体に、男達の醜い欲望が降り注ぐ。 あたしはそれを黙って見ているしかない。 『ね、笑っていて。そんな悲しい顔は見たくないよ、俺』 「ツナ……」 柔らかく触れられた頬。その手に擦るように寄せた後、ゆっくりと笑う。 あなたを、あたしが守る術は何一つないと言うの? 『…ンッ、ああっ』 シーツを握りしめ、体を預ければ、そこに広がるのは闇。 ベッドから離れ、彼は窓辺に寄り掛かる。 俺はただそれを、無機質に見ていた。 「今日はよく鳴いたね、綱吉」 『そうですか』 「あの子、また来たんだって?」 『心配、なんだそうです』 泣きそうな瞳で見つめてくるから、俺まで泣きそうになった。 「君が、自分の代わりになってるなんて思いもしないだろうね」 『……』 「まぁ、僕はどちらでも良いんだけどね」 彼は、まだいいほうだ。 彼女を自分のものにしたい、と言う男は後を断たない。 自分の欲に任せ、めちゃくちゃにしたいと。 俺はそれを許さない。 彼女の笑顔は、俺だけのものだから。 それを守るためなら、俺の体なんか躊躇いなく差し出せる。 『君がそこで笑うだけで』 俺は、誰より幸福だから。 全ては君のために。 END
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