想いの重さ

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想いの重さ

5月に入り怒濤のGWも終わった。 休みなしの7日間はかなり過酷だった。 その間はネットにあがることもなく、帰ったら最低限のことをしてすぐ寝てしまった。 アカネと話したい… ネットにあがるたびに 「お兄ちゃんおかえり」 と、言われるのが嬉しかった。 別にそういう趣味はないけれど、独り暮らしなのになんだか家に誰かいるようで、暖かな気持ちになれた。   久々にパソコン起動してメッセをたちあげてみた。 アカネがすでにログインしている。 声をかけようとしたら、先に彼女がいつものようにおかえりと言ってくれた。 寂しかったよと言いながらGWは色んなとこに遊びに行っていたようで、本当に寂しかったのかと思わず笑ってしまった。   アカネは宇多○ヒカルのコンサートチケットを手に入れたと言ってきた。 色んな子に声をかけたが、日にちが悪いらしくみんな行けないらしい。   「お兄ちゃん、8月なんだけど一緒に行けないかなぁ?」   多分、僕のことはもう信用しているのだろう。 もっと仲良くなってからと言われたが、僕はそれを断った。 ネットの人と会うのは多少なりとも不安があるし、仕事がどうなってるかわからないし、第一○ッキーはそんなに好きじゃない(笑)   しょぼんとしながら、アカネは探してみて誰もいなかったら母親と行くと言った。 それで思い出したが、母の日の花をまだ決めてなかった。明日花屋で見てこよう。   しばらく、アカネからの発言がなかった。 どうしたのかと聞いてみると、GW一緒に遊んだ友達と話してるらしい。 ちょっと気になったので自分も混ぜて欲しいと言ってみた。 メッセは大人数でも一緒に会話をすることができる。   「な…なんで?」   まぁ、妥当な質問だろう。 リアルなアカネはどんな子なのか、ただそれが気になったのだ。 アカネは友達に確認をしてみると言って、しばらく黙っていた。   「友達、彼氏いないけど惚れちゃだめだよ?」   なんだか少しすねてるみたいな言い方がちょっと可愛かった。 こんな妹いたら絶対嫁にいかせないかも(笑)   「バカ、ヤキモチやいてるのか?子供だなぁ」   僕はこの疑似兄妹関係をかなり楽しんでいるようだ。
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