想いの重さ

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最近…アカネが僕を好きだと言うときがある。 冗談で言ってるのか、兄として慕っているのか、それとも恋愛対象として言ってのか…。 確にアカネは可愛いと思う。 嫌われたくないし、大切にしたいと思う。 けれど、会ったこともないのに好きというのはどうなんだろう…。 僕は言われるたびに僕はどうしていいかわからなくなる。 困るから…あまり言わないで欲しい。 この幸せな時間に浸っていたい。   そして、小さな事件が僕らに起こった。   ある日、僕は友達と飲みに行った。 10人ちょいで集まって、中には知らない女の子もいた。 酒の勢いもあり、結構盛り上がったし、久々に女の子とケータイ番号を交換したりした。   帰りの電車を逃し、みんなで満喫に入った。 女の子はカラオケへ、野郎はゲーム機を借りた。 僕は何を思ったのかアカネにメールをしてメッセにあがるように言った。   数分して、アカネがメッセにログインした。 いつもと違って会話がノロノロなのはアカネの返答が遅いからだ。 眠いのかと聞いたら、風邪を引いていると言った。 よく考えたら夜遅いのに僕は悪いことをしたと思った。 無理をさせるわけにはいかないと思ったが、彼女は目がさえてしまったと言ったので、そのまま会話を続けた。 今思えば惚れた弱みにつけこんでしまったのかもしれない。   会話はとても楽しかったが、結局、明け方5時まで付き合わせてしまった。 アカネの風邪が悪化したのは言うまでもないだろう。 僕は本当に自己中で情けない男だった。
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