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家に帰って色々悩みながら僕はシャワーを浴びた。
仕事場の後輩の指導、店長と店員間の橋かけ…
アカネ以外にも悩むことはたくさんある。
いっぱいいっぱいだった。
僕は溜め息をついた。
この溜め息はアカネに対してだ。
彼女は確にいい子だ。
でも、想いが重い。しかも処女だし…
僕なんかよりもっといい人がいると思う。
しかし、今日会った女の子は軽いノリで付き合えそうだ。でも、好きという感情はまだ双方にもない。
メッセを立ち上げたら、アカネがログインしてるのが見えた。
「おかえり、お兄ちゃん」
いつも嬉しいはずのこの言葉も、どこか辛かった。
アカネは風邪が悪化して寝込んでいたらしい。
すぐ返信できなくてゴメンといってきた。
そんなことは今となってはどうでもよかった。
彼女はいつも早く僕に会ってみたいと言ってくる。
今日もそうだった。
いつもは流せるのに、今日は余裕がない…
「そんなこと言うなら、もう連絡とるのやめよう」
僕はそう言った。
確にアカネの想いが辛いときがある。アカネと二度と連絡をとらなければ悩みのひとつが消えるし、元の生活に戻ることもできる。
当然のごとく、アカネはいやだと言った。
「じゃあさ…」
僕は言葉を止めた。
今日の出来事を言うべきか…それとも黙っておくべきか…
僕としては話してしまったほうが楽になる。
するとアカネは聞きたいと言ってきた。
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