寂しさ

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しばらく探してみたが、女の子の待機してる部屋はすぐに誰かが入ってしまうようで、なかなか見付からない。 何度かページの更新をしていると、ある部屋の待機メッセージが目についた。   「歳の近い人、雑談しましょう」   雑談希望の人なんているんだなって、思った。 どんな子なのか見てみると、素朴な感じで綺麗というより可愛い系の子だった。しかし、まだ原石のような感じでもっと濃いめの化粧をすればかなり見映えもよくなるだろう。 彼女の名前はアカネで、歳は21だった。   僕は興味本意で入室してみた。   「こんばんは」   見た目通り、礼儀正しい子だった。 タメ語でいいと促したのだが、緊張してるようだった。 それがなんだか、ちょっと面白くて可愛い。 僕の周りにはいないタイプの子で、とても新鮮だった。 そのせいか、話が弾んで2時間も会話していた。   「そろそろ寝ますね」   そう言われて、なんだか少し寂しくなった。 もっと話してみたい。 僕は彼女にメアドを聞こうと思った。 彼女がここにまた来るかわからないし、いつ会えるかもわからない。 初対面で失礼だと思ったが…。   「「よかったらメアド交換しませんか?」」   ほぼ同時だった。僕は思わず笑ってしまった。 そして、その場でメアド交換をした。 僕のはMSNのメアドだったので、もし同じだったら今度はメッセンジャーで会話できると思ったが、彼女はYahooだった。 ちょっと残念だが、これで繋がりができた。 けれど、実は僕はあまりメールをしない人なのだ。 メールくるのは嬉しいが、するのはめんどい。 多分彼女ともそうなって自然消滅してしまうかもしれない。 けれど、今はこの出会いを大事にしたいと思った。     僕たちはまたねと言って同時に部屋を出た。
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