君の存在

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「先輩、この服在庫切れっすか?」 「副店長、電話入ってます」   日曜は一般的に言えば休みだが、さっき僕が言った通りシフト制の前には意味がない。 さらに休日は客がたくさん入る。きっとGWはこんなんじゃすまないだろう。 僕はこの店の副店長を勤めている。 後輩を教育しながら、接客をし、店長と打ち合わせをしながら会計事をしたりする。 メンズショップなので悲しいことに周りには野郎しかいない。 まぁ、百貨店に入ってる店なので、違うフロアには女性もいる。   僕はクッキーをひとつ食べた。 これが昼食だったりする。いつもこんな感じだ。 後輩にはちゃんと休憩させてやりたい。 僕は少し長めの休憩時間にがっつり食べるのだ。 そのため、3時とか4時とか中途半端な時間にご飯を食べることはザラではない。 そんなせいか、こないだの健康診断で貧血と言われた。 要検査だったが、時間もないし、貧血くらいたいしたことはないだろう。まぁ、クマがなかなか消えないのは接客業としては痛いところだが。   アカネは今頃どうしてるだろう?   ふと、頭をアカネの顔がよぎった。 会ったことはないが、とてもいい子だと思う。 まだ大人社会にすれてないというか、そんな感じだ。一言で言えば純粋なんだろう。 しかし、僕はどうしても人を深く信じられなかった。 それは元カノのせいだろう。 ある意味トラウマだった。
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