第三章 人生、跳んでみない?

2/15
前へ
/342ページ
次へ
プシュッ。 食堂車の扉が開いて、ウラタロスが入ってきた。 「あっ、カメちゃん!おかえりー」 「おまえ、千晴にボコボコにされたかと思ったぜ」 リュウタロスとモモタロスが口々に言う。 そして。 「そこのお供その2。おまえ、主に何をした」 ウラタロスに向かって、そう言ったのはジークだった。 「突然ジークが現れたから、何かあったのかなって言ってたんだよ」 良太郎が説明する。 「あの者は今や我が主だ。先程から繋がりが切れているが…万が一傷つくようなことがあれば、私が許さん」 そう言ってジークは、ウラタロスに指を向ける。 「ちょ、ちょっと待って…僕にも何が何だか…とにかく、入って」 「放してよ!放してって言ってるでしょ!」 ウラタロスに腕を引かれて入ってきたのは、千晴である。しかしジタバタと暴れて叫んでおり、ただならぬ雰囲気だ。 「あの…千晴さん?」 ハナが呟く。 「ウラタロス、何があったの?」 良太郎が聞く。 「僕はこういう強引なやり方は好きじゃないんだけど…えいっ!」 ウラタロスは言葉と共に千晴の頭を掴み、強引に皆のほうを向かせる。 「!!!」 千晴の顔を見た一同は、思わず息をのんだ。 瞳はオレンジ色に光っており、髪の一部もオレンジ色に染まっている。
/342ページ

最初のコメントを投稿しよう!

45人が本棚に入れています
本棚に追加