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  その館はひっそりと建っていた。周りを山々で閉ざされ、昼間でさえ取り囲む木々で光を遮られいて館を陰鬱な雰囲気にしていた。   麓の村の人々も館には近寄らない。誰の館なのか村長も知らず、ただ恐れだけが村人の中に根を下ろしていた‥‥‥。   あそこには自分らと違う何かがいる。 誰が言った訳でもなく、それは人々の間で口には出されぬが周知の事実として広まった。   違う何か‥‥‥‥。 確かに、ある意味でそれは間違いではなかった事に幸せな村人は知る由もなかった。
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