記憶。

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処置室に入ると、すぐ手前のベッドで 裕太が点滴を受けていた。 私は裕太にそっと近付いて、脇にあった椅子に腰かけた。 「裕太…。」 私は眠る裕太の手を握り、優しく頭を撫でた。 「ん…」 裕太は目を開けると、私の名前を呼んだ。 「友愛…?」 「点滴、終わったら帰っていいって。」 私がそう告げると、裕太は頷いた。 「…終わるまで…傍にいて?」 「うん、わかった。」 裕太は私が傍にいることで安心したのか また眠りについた。  
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