【プロローグ】

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          「おやおや、元気ですねぇ」           声はお可笑しみを含んでいても、顔は笑っていない。その不自然さに、私は恐怖を感じた。           「こんな吹雪の中、雪山にくるなんて・・・・貴女は自殺志願者ですか?」           男が近づいてくる。私はもう1歩下がる。それが何回か繰り返されて―― 男はため息をつき、私にさらに近づいてきた。剣を落とす私。           「・・・・・・・・っ!?」           何をするのかとガタガタ震える私を、彼はそっと抱き上げた。彼の赤い瞳と目が合う。           「貴女を助けようとして私まで氷づけになるなんて笑えませんからね・・・・死にたくなければ黙ってて下さい」          
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