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俺たちが1年だったとき、ちょっと変わった男の先生がいた。
変わったっていうか…なんなんだろう…あれは…
一部の人には好かれるんだけど、一部の人には徹底的に嫌われる先生。
…って言ったらいいのか…
とりあえずそういう先生がいて、俺たちのクラスの数学担当だった。
そこそこ若くて、でもちょっと親父臭くて、小綺麗にしていて、先生たちの中でも頭が良さそう。
顔がうさんくさい。
しゃべり方が見下した感じ。
授業中に冗談を言ってよくみんなを笑わす。
その冗談が面白いから好き、って人が多かった気がする。
俺は好きじゃなかった。
あんまり相手にされてなかったし。
それはありがたいんだけどね。
でもなんか好きじゃなかった。
いつもうるさい生徒指導の先生に対する『好きじゃない』とは違った嫌悪感があった。
存在自体が好きじゃなかった…というか、
俺自体が受け入れなかった。
消えて欲しいとさえ思った。
そしてその先生はたぶん無意識だろうけど、
犂を精神的に殺した。
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