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障子を閉め、枕元に座ると刀を置いた。 「そうか…。ご苦労だったな。怪我がなくて何よりだ」 「…傷はもういいのか??」 土方はこれ以上惨めな思いはしたくないと、無意識に話しを反らした。 「ん??あぁ、松本先生はすぐ治ると言っていたが…まだ動かん。まぁ、後一ヶ月で治るらしいがな…」 「……総司は……いないのか……」 俯き、目だけ動かして部屋を見渡した。 「総司は違う部屋だ。松本先生の診察を受けている。そうだ歳!姫乃ちゃんはどうした!?外で待たせて……どうした…」 目を閉じている土方は下唇を噛み締めていた。肩を掴む近藤に呟く。 「……姫乃が…死んだ……」 「…な…んだと……」 土方は自分がかけつけ、姫乃との最期の会話を近藤に話した。 近藤は眉を寄せ目を閉じ涙を流していた。 「…辛かったな…歳…」 「俺は辛くねぇよ……辛いのは総司だ……」 「……言うのか……」 その問いに土方は言葉が詰まった。次に口を開けた瞬間に障子が開いた。 「近藤さん!い、今新撰組の皆さんが帰って来たって……土方さん!」 「…っ…!!」 少し興奮気味で入ってきたのは、すっかり痩せ細りそれを隠すかのように厚着をしている沖田だった。 太陽のような笑顔で土方に駆け寄る。土方は立ち上がり沖田に背を向けた。 「土方さんお帰りなさ……って何いまさら照れてるんですか!もう可愛いんですから!…あ、そうだ!姫乃さんはどこです?!日比谷君と一緒ですか??………」 子供のようにはしゃぐ沖田に近藤は涙が止まらず、片手で顔を覆っている。土方も同様、口元を抑えて肩を震わせていた。 そんな二人を見て苦笑いをする。 「そりゃ、久しぶりですけど…何も私から姫乃さんを隠す事ないでしょう!それとも、姫乃さんから隠れんぼするって言ったんですか??」 「…総司…っ……」 近藤の涙に気付くと、沖田は土方の袖を引っ張り顔を覗き込もうとした。 「……土方さん…??ねぇ…悪ふざけもいい加減に……」 「…………」 覗き込んだ瞬間に土方の目から涙が溢れていた。沖田にしてみれば、何故この強い二人が泣いているのかわからなかった。 「…どうしたんです…?姫乃さんは…??」 「総司……!!」 近藤は何度も沖田の名前を呼び宥めようとする。 しかし、答えない土方に沖田は熱くなり土方の服を引っ張った。
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