森の洞窟

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森の洞窟

旅は続く。うっそうと茂る自分の背丈ほどの草をかき分け飛び出した。すると目の前には大きな口を開けた洞窟が現れた。この洞窟のある山はそれほど高くはないが面積では今までの山より遥かに上回っている。表面は大岩でゴツゴツ、中は外の光が漏れていた。タイトと猫は今まで旅をしてきたが、洞窟っというのは初めてであり、恐怖心とわくわくが半分半分のまま洞窟に喰われていった。 しばらくして目が慣れてくる。足もとは浅い水たまりが所々にあり、水気を感じさせる。とても広い空間に出た。壁から天井にかけて無数の穴がある。しかしおかしなのはこの空間……入ってきた所からちょうど真っ二つに分けられている。どうして分かるかというと色だ!左側の床…壁…天井は緑色に、向かって右側は赤色に染まっている。何とも異様な場所だなと猫と首をかしげる。すると突然!、左側の緑色の壁穴から「何だ貴様らっ!」っと声がした。出て来たのは全長1メートルもある、やたら重装備をしたネズミだ。「デカッ!」と思わず引き下がるタイト。食い入るように見る猫「お前ら、八足族の手下か?」っとネズミが説いてきた。タイトは久しぶりに人語を話す生き物に出逢ったと思った。今までに、イタズラ好きなサル、野犬のボス、獣の王ライオン、そして大トカゲと人語を話す生き物にしばしば出逢ってきた。特に最後の大トカゲとはヤるかヤられるかの3日間ぶっ通しで闘った。結局タイトと猫が勝利を手にしたのだ。その後、大トカゲとは仲よくなり一緒に猪を狩って一緒に食事をしたほどだ。「コラッ、無視するな!八足族の者かと聞いている!」。ヤバッ、つい想いふけってしまった。しかし猫はちゃんと聞いてたろうに?猫を横目で見てみる。猫はネズミを食い入るように見つめていた。自分より倍はあるであろうネズミだが、かみつく…ひっかく…猫パンチをする…こいつの場合かぜを使い、ネズミをかっこうの遊具にしようとたくらんでいるのが分かった。すぐさま手を猫の前に出し首を振る。どうやら一歩手前だったらしい。「んっ?よく見ると後ろ足と前足が二本ずつ、合わせて四本あるな。八足族ではないな。」一応頭を縦に振っておく。「けど、体つきがおかしい。お前達は外のモンか?珍しいもんだな。」よくしゃべるネズミだ。「まぁいい。ついて来い!一応オカシラに会わせないと自分もどうしていいやら分からん。」ネズミは壁穴にに入っていく。
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