洞窟を抜けて

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洞窟を抜けて

その後、八足族と四足族はすぐに仲がよくなった。頭達以外じつはそんなに仲が悪いわけではなかったらしい。それに八足族の兵士も四足族の兵士もお頭に内緒で巣のどこかに今まで死んでいった仲間達のお墓をつくっていて、墓参りまで行事としてあったという。どうりで戦の間に血は残っても死体がないはずだ。頭達の墓は戦の間の端に境界を挟んでつくられた。兵士達は今後、交流をもっと深めこの巣をデカくすると言っていた。戦は伝統として残すらしいが、武器は木刀に戻り、勝敗は参ったと言った方が負けにした。また同じあやまちが起きるかもしれないが、それはもうないだろう。 また一つ旅の思い出ができた。八足族と四足族に別れを告げ、教えられた通り洞窟を進む。外の風を感じた。もうすぐだ。猫が待ちきれないと走り出す。猫を追いかけて抜けた先は……絶景と太陽の暖かく懐かしい光が歓迎してくれた。 次の旅路にがいいもので…楽しくあれ。
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