予知夢

3/4
前へ
/4ページ
次へ
・・・その理由は、床一面に、何か、ネチョネチョとした粘性の液体が、私の靴を足元を汚していた。 違和感の正体の一つがコレだと直ぐに気付いた。   窓から差し込む月明かりの下でもソレが、真っ赤な鮮血、即ち、血液だと、多分人間の血だと無意識のうちに感じられて背筋にゾクゾクとした悪寒が走った。  もう一つ気になったていたコトは、血が流れ出ている先の方向にはトイレの掃除用具置場のロッカールームが有るからなのだが、恐怖よりも興味と好奇心が、普段なら、正しく小心者の私のするコトでは無いが、何故かドアを開けてみると。 ・・・そこには、真っ青になった人間が。 誰の目にも一目で死体だと解るモノには、首を何にか刃物の様な鋭利なモノで、かき斬られていて切り口からは、今だ、ドクドクと血が流れ出ていて深く達した切り口からは、テロテロと光輝くピンク色の筋肉の繊維や白く擦れた骨までが見えていた。 しかも、両方の肩から先の部分が、ザックリと刈り取られていて・・・つまり両方の腕が無いのだ。    ・・・しばらく自分が見ているモノが何なのか解らなくなりソレを茫然と見つめていたが、ハッと!我に返った私には、すでに恐怖しかなくてクルリと踵を返し逃げ出した。 暗闇で、何かに、ドン!と蹴躓き前のめりに、つんのめってしまい、そのままバタリと倒れそうになるトコで下半身に力を込めて踏み止まり、足に当ったモノを見ると、ソレは、先程の死体の腕の一つで、辺りを見ると、もう片方の腕も傍らに有るのでは無いか。 嘔吐しそうになるくらいに気持ち悪くなり体中に力が入らなくなり思う様に動かない体を引きずる様に足を出すと足首の辺りを死体の斬られていた腕が、爪が食い込むくらいの凄まじい怪力で、シッカリと掴んでいるでは無いか!? ・・・その衝撃で、ドシンと尻餅をついていると今度は、私の肩を残っていた死体の、もう片方の腕が、肩が脱臼しそうになるのではと思える痛くなるぐらいガッシリと、捕まえて、私が入っていないトイレの個室へと、ズルズルと引きずられていくと、個室のドアがバーンと開き便器の中からは地の底から地獄からの低い擦れた呻き声が聞えてくる。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33人が本棚に入れています
本棚に追加