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チロチロチロ🎵
メールの着音が鳴る。
(またあいつ…?)
今開いた携帯をまた閉じて、理恵は溜め息をついた。
佑樹とは去年の夏、別れた。
嘘吐き、暴力、酷い男。
さんざん嫌な思いをした、その男からのメールを、うっとおしいと思った。
理恵は躊躇いながらもう一度携帯を開いて、メールを読んだ。
『理恵、殺してやる、お前だけ幸せにさせるわけに行かない』
背筋がぎゅっと寒くなり、携帯を床に投げた。
(どこまで馬鹿な男なんだろう。)理恵は思った。
本当についてない。
(この男とは出会い系サイトで知り合ったんだっけ…。)
結婚生活とは名ばかりで夫は冷たく寂しかった。
出会い系サイトに名前を載せたら、沢山のメールが届いた。何人かとメールを交換した。何人かと気があって、その中の一人が佑樹だった。
佑樹ははじめてのメールで『お姉さん、色々教えて下さい。』と言った。
理恵は(可愛い)と思った。
自分より凄く年下のこの男が、その時の理恵の心をくすぐった。
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