公園での約束

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暗い夜道を離れながら歩く男女 勿論、会話などもなく ただ、ひたすら歩くだけだった いつの間にか、千里の涙も止まっていた 掌にある家の鍵をギュッと握る 何で この目の前にいる人は私のところに来てわざわざあんなことを言うの? 初めて――― だよね?会ったの… 会った覚えなんかない なら何で 私の家を知ってるの? どうして係わるの? 目の前にいる“時田 春樹”という男の真意がわからない… 聞くにも 聞けなくて でも、時田 春樹も振り向かなくて… 表情も一切わからなくて 本当に、 来た道をただ歩くしかなかった 数分後 目の前には千里の家 春樹は止まりゆっくり振り返る だが何も言わず千里を見ている 千「…ぁ…、ありがとぅ…ございました…」 軽く頭を下げ小走りで家の中に入った その後、時田 春樹が何をしたのかは知らない 家に帰ったかもしれないし そのまま遊びに行ったのかもしれない 家は落ち着く… ただ1つ苦痛だったのは 母「あのカッコイイ人、千里の彼氏なの?きゃ―――!お母さんどうしよう!?」 という、母の追求とありえない未来を考えている母の対処だった。
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