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千｢ちょ……ん！｣
春樹の大きな手が千里の口を押さえた
春｢静かにしろよ｣
何度も頷き『手を離せ！』というのをｼﾞｪｽﾁｬｰで伝える
気がつかない春樹は俯きながらﾎﾞｿﾎﾞｿと何かを言い出した
春｢悪かった……。｣
千｢………？｣
言葉を出せないので不思議そうに千里は見た
春｢…その、嫌な思いした…ょな？｣
嫌な思いというか…
恐い思いをした
初めてで訳がわからずいきなり始まって
恥ずかしいのか私に謝るのが不愉快なのか
“奴”の耳がほんのりと赤くなっている
春樹がいきなりほんのりと赤い顔を上げた
目が合ったかと思うと
耳元で
春｢今日、2人で帰るぞ｣
と勝手なことを言い
千里から離れ片付けをし始めた
あの……、口元の手当てまだ終わってないよ…。
と思いつつも春樹を止めなかった
我慢していたのだ
千里は顔が赤くなった春樹が可愛く見えて笑いそうになっていたのだ
あいつでも…
……あんな顔するんだ。
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