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「ゴメン、やっぱり俺、お前と付き合うのムリだよ。」
「……。 やっぱりまだ、彼女の事気になるの?だから、ダメなの。 」
「うん…。」
「あ~あ、また振られちゃった。まあ、最初からあの子目当てで、近づいて来たのは、分かってたから、仕方ないか。これで良かったのかな。私もずっと後味悪かったしさ。」
え、何?2人別れちゃうの?
私は更に耳をそばだてた。
「その代わり、ちゃんと付き合いなさいよ。それとちゃんと学校に連れ来なさい。それが出来ないなら、死になさい!」
「死ぬのはヤダから、頑張るよ。本当にゴメンな。」
「なら今日が最後にしてあげるからちゃんと最後までデートしなさいよ。心配だから彼女へのプレゼントも私が見繕ってあげるわ。」
「ゴメン。助かるよ。実はどんなのが良いかサッパリ判らなかったんだ。」
「やっぱりね。じゃあ、さっそく売り場に行くわよ。」
声がだんだん小さくなって行く。どうやら貴金属売り場へと向かったようだ。
実に衝撃的な話しを聞いてしまった。2人が別れるなんて。それも、他の女の子にアプローチする為に。人のそう言う話しって本当にドキドキする。
誕生日プレゼントかぁ。そういえば私も明日は誕生日だったっけ。いろいろ有ったからすっかり忘れてなぁ。
今年は淋しい誕生日になりそう…。
でも、ひょっとしたら私へのだったりして。まあ、それは虫が良すぎるか。
私は気に入った服を見つけ買い物を済まし家へ帰った。
着くとすぐに携帯が鳴りだした。どうやらメールのようだ。
知らないサブアドレス。いったい誰だろう。
とりあえずメールを開く。
『お久しぶり。突然だけど今日振られちゃいました😆
恋愛は難しいね。でも、彼は本当に良い人だったよ!元々、彼あんた狙いで私に近づいたんだけど やっぱり私じゃ、役不足だってさ!失礼しちゃうね😡
それから、明日プレゼント持って彼そっちへ行くから留守にしないで受け取ってあげて。私も一緒に選んだから、そんな悪い物じゃないよ(笑)
とにかく、そういう事だから 宜しくね!
あと、そろそろ学校に来なさいよ。あなたの机を拭くのも やになってきたしさ(笑)
それとメール受信出来るようにしといてね〓』
何?えっと。ようするに買い物の時に聞いた話しは、私の事だったって事だよね…。
どうしょう。せっかく吹っ切れたのに。
今更なんで、彼が出てくるの。
もうどうして良いか判らないよ。
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