運命

3/9
前へ
/77ページ
次へ
高校を卒業する日に僕は両親に、[女]になりたいと打ち明けた。 父親は激怒し「でていけ!」と怒鳴り、母はうすうす感じてはいたと眼に涙を浮かべていた。 僕は「本当にすみません。男に生んでくれたのに…」と両親に謝罪し家を出た。これで帰る家はなくなった、僕はそう思い高校の卒業式にも出ず一人秋田から東京へ飛び出した。 東京行きの新幹線の中、僕は前に座っている親子の姿を見てふと十年前の母親と自分の会話を思い出していた。
/77ページ

最初のコメントを投稿しよう!

38人が本棚に入れています
本棚に追加