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しかし 足音は毎晩続いた。 足音がするたびに家を見てまわったが誰もいなかった。 そして、不可思議なことが続いて行く。 娘のピアノが突然 なったり、シャワーの水が勝手に出たり・・・ 私がリビングのドアを開けて中に入ると、ドアが独りでに バンっと音を立てて閉まった。 不思議に思い 恐る恐る またドアを開けると、また勝手にしまる。 そして、不思議な足音も更に頻繁になっていく。 娘は、未だにジェンとたまに遊んでいる妄想をする。 私は娘にジェンの事を詳しく聞いた。 娘は 「ジェンには、お父さんとお母さんがいて、この家に住んでいるの。ジェンのお父さんは私と遊ぶなってジェンを怒るのよ。」 私は動揺を必死に隠して娘に聞いた 「ジェンのお父さんと、お母さんにも会ったことあるの?」 娘はフルフルと顔を横に振った。 私は一つの考えが強くなってきた。 この家は呪われているのではないか? そして、娘が見ている男は幽霊なのじゃないか?
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