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ギィィ・・・ ドアを開ける音が響く。 私は破裂しそうな心臓を押さえて中を見回した。 そこには、一人の老婆が椅子に腰をかけていた。 そして、なだめるように私に話しかけてくる。 「あなたは、なぜここに居続けるの?」 「何を言ってるの!?あなたが勝手に家にはいっているのに!!」 「あなたは、なぜ自分に起こった事実に目をそむけるの?」 「何を言ってるの!!早く私の家から出て行って!!!」 私は怒りのあまり、周りの手に届く物を老婆へ投げつけ 叫んだ。 老婆はスッと消えて私の背後のドアが ガチャっとしまった。 私はなぜか涙が目から溢れ落ちている。 そして、娘の所へ行って ギュッとだきしめた。
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