帽子屋事情

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─カシャン   テーブルにおかれたティーカップが音をたて横に倒れた 中の紅茶はこぼれテーブルを伝い床へと落ちる 「…zzz」 紅茶をこぼしたのはネムリネズミのカノンである   「おや、仕方ないですね。カノンは…まぁそこがまた可愛いのですけれどね」   にこにこと見える口元で微笑みテーブルをふき片付ける帽子屋のカヅキ   二人はいつも決まった時間にお茶会をしている   それは誰もが知っている事 そして滅多なことがないかぎりお茶会人数が増えることもなかった   「相変わらずカノン至上主義だなぁ」   真実の番人─トカゲのジークは様子をみてお菓子を食べる 本来ならカヅキは何がなんでも邪魔者は排除にかかる だが今回はカノンが相席を許したために嫌々ジークの参加を認めていた         「黙りなさいトカゲ。カノンの愛くるしさの判らない貴方などじめっとした押し入れに帰っていくがいい。まぁ判っても始末したいですが…」     「お前何気に酷いやつ」
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