侵食する悪霊

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これは、私が、とある養成所に、通っていた時のクラスメイトから聞いた体験談です!   彼は、霊感とかには無縁で霊など、科学では、説明できないコトは、信じないタイプの人間だったのですが・・・。   ある晩、彼は、バイト先から、疲れて帰って、直ぐにベットに潜り込み眠りに就きました。   しばらくして、疲れからの深い眠りを破るかの様に、彼の足首をガッ!と何者かに掴まれました。   一体、何事か?と身体を起こして、足元を確認しようとすると金縛りと言うのか身体全体をズシリ!とした奇妙な重みで、指先を動かす事は、疎か〔おろか〕 ウンともスンとも言わずにどうする事もできません!   しかし、足首をガッ!と掴んでいる氷の様に冷たい手が、ズリッズリッと少しづつ少しづつ上へ頭の方へと覆いかぶさる様に、にじり寄って来ます。   恐怖で、ギュッと目を堅く閉じていた彼でしたが勇気を出して近づいて来るソレを見てみるコトにして、瞼を細く、そっと開けると真っ暗な部屋の微かな薄明かりの中で、視界に入ってきたのは、青白い痩せこけた骸骨の様な正に〔まさに〕骨と皮だけの見た目からは年齢も分からない感じの男で、ギロリと今にも飛び出しそうにひんむいた目をコチラに向けて、ニタリと気味悪く笑うと、まるで、鮮血の様に紅い口からは、フシュ~フシュ~ッと音を立てて呼吸?をしています!  その時点で、恐怖の絶頂に陥り、再び、彼は、目を堅く閉じてこの悪夢が、早く覚めないかと祈っていました。     しかし、ズリッズリッと近づいて来るソレは、彼の頭を爪が、食い込み血が出るくらいにシッカリと両手でガッシリと掴んで、ソレの指が、強引に彼の瞼をコジ開けると気味悪いソレの顔がハッキリと見えて生温かい息が、顔にかかるのすら分かり恐怖で、目を閉じようとしても、もう瞬きすらできません!
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