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男の子は小学生になった頃から夜寝ていて、突然飛び起きて暴れ回ったり、意味不明な言葉で喚き散らしたり、壁や床に体をこすりつけるといった奇妙な行動、夜ボケを繰り返すようになった。
おそらくこれは夢遊病と言われる精神病の一種だろう。この病気は6歳から12歳まで続いた。
男の子本人は夜ボケしている最中の事をかすかに覚えていたり、全く覚えていなかったりしていたのだが、ただ一つだけ確実に覚えている事があった。
夢遊病の症状が出る時は必ず夢を見るのだ。
《アルプスの草原のような景色に建つ、赤い屋根の家の裏にある赤い屋根の犬小屋》
《七色に光る10円玉》
《真っ黒な空間に浮かぶ2本の鉄柱》
《真っ白な空間で絡み合う1本の糸》
この4つのどれかを、必ず見るのだ。
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